国際学会印象記
14th International Symposium on Limb Salvage(ISOLS)に参加して
森本 裕樹
1
1岡山大学整形外科
pp.264-265
発行日 2008年3月25日
Published Date 2008/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101246
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14th International Symposium on Limb Salvage(ISOLS)は2007年9月11~14日にドイツのハンブルクで開催され,ChairmanはMünster UniversityのProf. Winfried Winkelmann,Co-ChairmanはDr. Georg Goshegerが務められました.本学会は骨軟部腫瘍患者の患肢温存に関わる各種治療(各種再建方法や化学療法など)の発展を目的とし,2年に1度開催される国際学会です.世界中の国から714名が参加し,508題の演題が発表されました.毎回,比較的日本人の出席数と演題数の多い学会で,特に今回の出席人数は開催国ドイツと同数の84名,演題数でも中国,米国を押さえて74題の1位でした.骨軟部腫瘍は発生頻度が少なく症例が集まりにくいため,症例数の多い多施設共同研究の発表や最新の知見に触れることが国内では得難いことが,日本人の参加が多い1つの要因と思われます.
今回初めての試みとして,骨軟部腫瘍の専門医を目指す若手医師を対象とした「Special residents-day」というレクチャーコースが初日に設けられていました.私は応募定員の関係で参加できなかったのですが,参加した者の話ではrotation plasty(回転形成術),腫瘍型人工関節,血管柄付き腓骨移植を中心とした再建法についての講義で,歴史から実際の手術法まで踏まえたわかりやすい内容だったようです.日本国内では骨軟部腫瘍の手術や治療のレクチャーを1日をかけて行うことは少ないことを考えると,今後も同様な講義を開催されることが望まれます.
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