職業リハビリテーションの立場から

はじめに

　ここでは特に中高年中途障害者の職場復帰という視点から，与えられたテーマを論考してみる．

　なお，ここで本稿の性格について若干の弁明をさせていただきたい．というのも，読んでいただければおわかりのとおり，本稿は学術誌に掲載するにしては，定量的，実証的（evidence based）な記述からは程遠く，事例を使っているとはいえ全く定性的な記述に終始してしまっているからである．全体の論調にも論理性より物語性が強く出てしまったと筆者自身感じている．ただその辺については，本稿がシンポジウムでの話題提供を原稿化したものであるという事情に鑑みて何卒ご容赦いただきたい．