特集 臨床現場にいかす障害構造・障害分類
WHO国際障害分類を障害者のための臨床現場にどういかすか
3)職業リハビリテーションの立場から
春名 由一郎
1
,
松井 良輔
2
Haruna Yuichiro
1
1日本障害者雇用促進協会障害者職業総合センター
2北星学園大学社会福祉学部
pp.31-33
発行日 2002年1月15日
Published Date 2002/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105961
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はじめに
職業リハビリテーションの「臨床現場」について,特に,専門家が障害者と直接関わる現場という理解でまとめてみたい.
現在,我が国の職業リハビリテーションの現場は大きな転換期にある.第1に,職業生活の多様性の観点から,通常の日常生活や社会生活とは異なる障害の評価や支援のあり方が強調されていること,第2に,従来の障害者の評価・判定・訓練を中心としたものから,援助付き雇用,ジョブコーチ,ナチュラルサポート1,2)など,実際の職場での問題に即して個人と環境の両面への支援を重視するようになってきていること,第3に,障害者福祉のあり方が,従来の(入所)施設を中心とした支援から,地域での自立生活支援を基礎としたものへと変わりつつあり,福祉・教育・医療等の多職種が多数,職業リハビリテーションに関与し始めたこと,そして第4に,インターネットを通して最新の職業支援機器・技術情報のグローバルな共有化が進行している3)ことである.
このような職業リハビリテーション現場での最近の動向との関連で,WHO国際障害分類(ICF)の障害構造枠組みと分類体系のいかし方を整理してみたい.
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