第47回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/鹿児島 《シンポジウム》リハビリテーション医学領域の基礎研究と臨床応用―座長/安保 雅博・池田 聡
心血管疾患に対する電気刺激の基礎的研究とその応用
長坂 誠
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1東北大学大学院医学研究科内部障害学分野
pp.248-255
発行日 2011年4月18日
Published Date 2011/4/18
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心疾患に対する電気刺激療法
1.骨格筋と電気刺激
骨格筋の性質は,筋収縮の速さの違いにより速筋と遅筋に分類される.速筋と遅筋は,筋収縮の速さ以外にも,筋線維の大きさ,筋疲労性,酵素活性などの面においても異なる点が多い(表1).速筋と遅筋といった筋タイプは,運動・遺伝子・廃用・炎症・重力・神経麻痺などさまざまな外部環境や刺激により相互に変化しうる1).
骨格筋の外部環境や刺激による変化は,速筋・遅筋といった性質の変化のみならず筋肥大・萎縮といった量的な変化も伴う.筋肥大は主に持久性運動やレジスタンス運動による蛋白質合成の促進により出現する.一方筋萎縮は主に老化,長期間のベッドレストによる廃用や宇宙環境における筋活動量の減少により出現する2).
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