Japanese
English
入門講座 物理療法の基本と実際・3
治療的電気刺激療法
Therapeutic electrical stimulation;TES
橋田 竜騎
1
,
松瀬 博夫
1
,
志波 直人
1
Ryuki Hashida
1
,
Hiroo Matsuse
1
,
Naoto Shiba
1
1久留米大学医学部整形外科講座
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Kurume University
キーワード:
電気刺激
,
筋力増強
,
ハイブリッドトレーニングシステム
Keyword:
電気刺激
,
筋力増強
,
ハイブリッドトレーニングシステム
pp.923-927
発行日 2017年9月10日
Published Date 2017/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201090
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はじめに
米国理学療法士協会(American Physical Therapy Association;APTA)は,物理療法を電気治療的物理療法(electrotherapeutic modalities),狭義の物理療法(physical agents),力学的物理療法(mechanical modalities)に分類している.電気治療的物理療法には鎮痛を目的とした経皮的電気刺激(transcutaneous electrical nerve stimulation;TENS)と,骨格筋の収縮を目的とした機能的電気刺激(functional electrical stimulation;FES),治療的電気刺激(therapeutic electrical stimulation;TES)がある.
TESは,電気刺激を筋力増強などのリハビリテーションの手段として用いるものである.TESによる筋力増強効果については以前から報告されているが,臨床では十分に普及しているとはいえない.TESによる筋力増強は術後早期から可能であり,筋萎縮の予防効果がある.また運動療法が困難な心疾患,呼吸器患者へも使用されており,運動療法への代替療法としても期待されている.さらに電気療法と随意的な筋収縮を組みあわせることにより筋力増強に効率的であると報告されており,臨床においても積極的に使用することが勧められる.
本稿ではTESのメカニズム,実施上の注意点,臨床での応用について述べる.
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