第47回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/鹿児島 《シンポジウム》リハビリテーション医学領域の基礎研究と臨床応用―座長/安保 雅博・池田 聡
骨関節領域の基礎研究
高田 信二郎
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1徳島大学病院リハビリテーション部
pp.245-248
発行日 2011年4月18日
Published Date 2011/4/18
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はじめに
日常診療では,病態に対する種々の疑問が湧出する.我々臨床医が行う基礎研究は,その疑問を解決する手段であり,その研究成果をもとにした新たな治療法の開発まで展開することを目標とする.その観点から,私は,臨床医が実施する基礎研究は,臨床研究と等価であるととらえている.
私とその共同研究者は,これまで,四肢短縮症の新たな治療法として,薬物療法と手術療法との併用療法の治療効果を,動物実験で明らかにしてきた1~4).私は,現在,日本学術振興会科学研究費補助金を得て,研究課題「長管骨長形成長の新たな制御機序の解明」を推進している.長管骨の長径成長は,成長軟骨板における内軟骨性骨化によって規定されている.これまで,長管骨の骨幹部骨膜の全周性切除は,長径の過成長をもたらすことが報告されてきた5~7).本研究は,ラット大腿骨幹部骨膜を全周性に切除することで長径成長を促進させ,その機序を解明することを目的としたものである.
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