1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?
治療的電気刺激
原 行弘
1
1日本医科大学千葉北総病院リハビリテーション科
pp.49
発行日 2011年1月15日
Published Date 2011/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101845
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●治療的電気刺激の定義
治療的電気刺激は,文字通り様々な手法の電気刺激を治療に使用する物理療法の一種である.従来から物理療法のひとつとして,低周波電気刺激が除痛や筋委縮予防に利用されてきている.一般的に末梢神経および筋肉に電気刺激を与えるものであり,経頭蓋直流電流刺激は治療的電気刺激の範疇には含まれないと考えられる.低周波電気刺激が代表的であり,中周波電気刺激や干渉波も利用される.変形性関節症や肩関節周囲炎の除痛,筋委縮予防,筋肉の血管床増加・代謝改善,脳卒中の肩関節亜脱臼の改善,筋痙縮の軽減など多彩な臨床応用がある.電気刺激による筋線維肥大効果や筋力増強効果については様々な報告があり,十分な意見の統一をみていない.その他,除痛のための経皮的神経電気刺激(TENS)も代表的である.ただし,治療的電気刺激は一般的によく使用される用語とは言い難い.日本リハビリテーション(以下,リハ)医学会編集の医学用語集(2007年改訂版)では,治療的電気刺激は「介入」の大項目に属する「理学療法」の細項目である「物理療法」の範疇に収載されている.
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