第46回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/静岡 《シンポジウム》脳卒中リハビリテーションの展開―座長/園田 茂・原 寛美
高次脳機能障害とその評価―注意障害を中心に―
豊倉 穣
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1東海大学大磯病院リハビリテーション科
pp.359-364
発行日 2010年6月18日
Published Date 2010/6/18
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はじめに
古く新しいテーマとして,高次脳機能障害をめぐる諸問題は現在なおその診断,治療に苦慮することが多い.かつて高次脳機能障害の代名詞とされていた失語,失認,失行はより低次の脳機能障害に位置づけられ,症状の解釈,病態の把握は比較的容易である.一方,今日取り沙汰される高次脳機能障害は(「行政的」にと但し書きがつくが)注意,記憶,遂行機能,社会的行動の問題を中核とし,文字通りさらに高次で複雑な脳機能の障害である.的確なリハビリテーション(以下,リハ)プログラムの立案にとって問題行動(症状)の出現メカニズムを明確にすることは重要な課題といえる.高次脳機能障害の診断を困難にしている要因を表1に示した.
以上より,本シンポジウムでは注意障害を中心にその診断,評価について演者の試みを紹介する.
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