第46回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/静岡 《シンポジウム》脳卒中リハビリテーションの展開―座長/園田 茂・原 寛美
Botulinum toxin type A(BTX)の脳卒中後の上肢及び下肢痙縮に対する臨床評価
大田 哲生
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1慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
pp.355-359
発行日 2010年6月18日
Published Date 2010/6/18
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はじめに
Botulinum toxin type A(A型ボツリヌス毒素,以下BTX)は,ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)により産生されるA型ボツリヌス毒素を有効成分とする筋弛緩剤である.A型ボツリヌス毒素は神経終末部において神経伝達物質であるアセチルコリンの遊離を阻害し,筋弛緩作用を発現する.
痙縮とは,上位運動ニューロン障害に起因した速度依存性の伸張反射亢進状態であり,腱反射亢進を伴うものであるとされている1).痙縮は患者に著しい機能障害をもたらすのみでなく,介護・医療負担の面からも重要な問題である.
今回脳卒中後の上肢及び下肢痙縮患者を対象にBTXのプラセボに対する優越性を検証し,更にBTXを反復投与した際の有効性及び安全性を検討したのでその結果を報告する.
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