第45回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/横浜 《シンポジウム》高齢化社会におけるQOL向上の方策―地域連携システムの構築に果すリハビリテーションの役割―座長/畑野 栄治・水間 正澄
大腿骨近位部骨折における地域連携クリティカルパスの現状と今後の課題
野村 一俊
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1独立行政法人国立病院機構 熊本医療センター
pp.281-285
発行日 2009年5月18日
Published Date 2009/5/18
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はじめに
大腿骨近位部骨折の地域連携クリティカルパス(以下,地域連携パス)は,他の疾患に先駆けて診療報酬上の評価を受けたことにより,全国各都道府県で運用が始まっている.
本来,クリティカルパスはPDCA(plan-do-check-act)サイクルを回して医療の標準化を図るツールである.地域連携パスは,作成して使用するだけでなく,バリアンスの分析による見直しを行う必要がある.バリアンスの収集・分析にはデータベースの構築が必要であり,地域連携パスのIT(情報技術)化への期待が大きい.安価で簡便なITシステムが望まれる.大腿骨近位部骨折患者の退院後の続発骨折予防,寝たきり防止には,骨粗鬆症治療や訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)が必要であり,かかりつけ医やケアマネジャーとの情報共有が重要である.現在運用されている急性期医療機関から回復期医療機関までの地域連携パスを如何に拡大していくかが大きな課題となってきている.
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