第45回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/横浜 《シンポジウム》痙縮に対する治療介入―座長/浅山 滉・正門 由久
痙性に対する整形外科的アプローチ-整形外科的選択的痙性コントロール手術-
池田 啓一
1
,
川上 宏治
1
,
山口 浩司
1
,
桑原 公倫
1
,
古閑 博明
2
,
山鹿 眞紀夫
2
,
田中 智香
2
,
齋藤 智子
2
,
坂本 公宣
3
1熊本リハビリテーション病院整形外科
2熊本リハビリテーション病院リハビリテーション科
3熊本県こども総合療育センター整形外科
pp.176-185
発行日 2009年3月18日
Published Date 2009/3/18
- 販売していません
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
脳性麻痺や脳卒中など痙性麻痺を示す疾患では異常筋緊張による運動機能障害,各種変形(はさみ肢位,尖足,側弯症など),疼痛などを引き起こし,二次障害として変形性股関節症や外反母趾,頸椎症などが問題となる.
痙性麻痺に対する治療法としてリハビリーション(以下,リハ),薬物(ボツリヌス毒素1~3),バクロフェン4,5)など),装具,ギプス(Heel Gait Casting6)など),脳外科的手術(選択的後根切断術7~10)など),整形外科的手術(筋解離術,筋腱移行術,骨性手術など)が挙げられる.我々整形外科医には筋肉を直接触り筋緊張を緩和することが可能で過去にも多く行われたが,成績が悪い・安定しないとして敬遠されたのも事実である.現南多摩整形外科病院の松尾隆先生がそのような過去の手術の結果・欠点を反省し築きあげたものがOSSCS(Orthopaedic Selective Spasticity-control Surgery)11~13)である.
我々は痙性麻痺に対して緊張緩和・運動機能改善・疼痛緩和などの目的で松尾の提唱するOSSCSを積極的に行っている.今回OSSCSの考え方や方法,症例を紹介する.
Copyright © 2009, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.