第45回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/横浜 《シンポジウム》痙縮に対する治療介入―座長/浅山 滉・正門 由久
痙縮に対する脳神経外科手術
佐々木 寿之
1
,
平 孝臣
1
,
堀 智勝
1
1東京女子医科大学脳神経外科学講座
pp.171-176
発行日 2009年3月18日
Published Date 2009/3/18
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はじめに
痙縮とは「筋が伸長されたときに生じる異常な筋緊張の増加」と定義されている.ただ一般臨床では脳性麻痺や脊髄損傷,脳血管障害,頭部外傷などによる中枢神経障害後にしばしば見られる筋肉の緊張,筋痙縮,クローヌス,深部腱反射亢進,これらに伴う異常肢位を含めた概念と考えてよく,さまざまな原因でさまざまな部位に出現する.原則として錐体路障害があるため麻痺を合併しているが,痙縮が軽度の場合には麻痺を補って立位保持するなどの機能に不可欠なことも少なくない.しかし重度の痙縮では残存している随意運動を阻害し,筋痙縮による痛みや呼吸苦を増強して車椅子移乗に際して下肢の伸展硬直を誘発する.痙縮の脳神経外科的治療は痙縮の程度と分布,年齢などによって決定する.選択的脊髄後根遮断術(selective dorsal rhizotomy:SDR),選択的末梢神経縮小術(selective peripheral neurotomy:SPN),髄腔内バクロフェン治療(intrathecal baclofen:ITB)が代表的である.本稿では痙縮に対する脳神経外科手術についてその適応と手術の実際,問題点を述べる.
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