論述
片麻痺痙性手に対する機能外科的手術
田中 晴人
1
,
野島 元雄
1
,
松家 豊
1
,
榊原 久司
1
,
時田 礼一郎
2
,
西庄 武彦
3
Haruhito TANAKA
1
1徳島大学医学部整形外科学教室
2松山リハビリテーション病院
3国立徳島療養所
pp.975-983
発行日 1975年11月25日
Published Date 1975/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905267
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脳血管障害に起因する片麻痺痙性手の再建術に関しては,その適応,術式など従来から種々論議されてきた.特に,片麻痺による痙性手は病態の多様性に加えて,連合,共同運動などを随伴するために,痙性手の機能再建を極めて困難にしている.こうした痙性手は上述の病態の多様性とともに,指固有筋群(intrinsicles)の痙縮,退縮をも随伴しているために,手,手指関節の屈伸機能の随意性の発現阻止の要因にもなつていると考えられる.
かかる観点から,上述痙性手の痙,退縮寛解と随意運動の発現を図る目的で,手関節掌側部で,正中,尺骨神経に低濃度フェノール溶液(1〜4%,最近は0.5〜1%を常川)により,フェノールブロックを施し,同時に手掌管を拡大するようにした.
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