第45回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/横浜 《教育講演》
最近の心臓リハビリテーションの考え方
伊東 春樹
1
1榊原記念病院
pp.186-195
発行日 2009年3月18日
Published Date 2009/3/18
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はじめに
心臓リハビリテーション(以下,心臓リハ)は質の高い社会復帰に必要な包括的介入であり,継続的な治療および予防戦略である.対象となる患者は,ごく一部の疾患や発症期および不安定期を除くすべての心血管疾患患者(特に動脈硬化性疾患)であり(治療およびSecondary prevention),さらにそれらの疾病の発症の危険が高いと予想されるメタボリック症候群など生活習慣病の患者である(Primary prevention).すなわち心臓リハは「治療」であると同時に「一次予防(公衆衛生学では二次予防)」「二次予防(同三次予防)」である.たとえば動脈硬化性心疾患に対しては,冠動脈バイパス術や血管形成術がすでにできてしまった病変に対する局所療法であるのに対し,心臓リハはその原因に介入するup-stream治療であり,医学的ならびに医療経済的にその意義は大きい.
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