第45回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/横浜 《パネルディスカッション》リハビリテーション難渋例の実践検討2―呼吸循環器系のハイリスク―座長/上月 正博・水落 和也
リハビリテーションに苦慮した若年性肺気腫の1症例
霜田 直史
1
,
笹尾 ゆう
1
,
豊倉 穣
1
,
児玉 三彦
2
,
市川 毅
3
1東海大学医学部付属大磯病院リハビリテーション科
2東海大学医学部専門診療学系リハビリテーション科学
3東海大学医学部付属大磯病院リハビリテーション室
pp.354-358
発行日 2009年6月18日
Published Date 2009/6/18
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はじめに
若年性肺気腫は,喫煙者50歳以下,非喫煙者60歳以下で発症する慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)と定義され1),厚生労働省の難治性疾患克服研究事業対象疾患に指定されている.本邦における推計患者数は190人で2),比較的稀な呼吸器難病である.5年生存率はHugh-Jones分類Ⅱ,Ⅲで66.7%,Ⅳ,Ⅴでは16.9%と予後不良である.また在宅酸素療法開始から3年目以降の死亡率が増加するとの報告3)があり,この時期が救命を目的とした根本治療としての肺移植の適応時期を考える上でのターニングポイントといわれている3).
臨床症状の特徴としては高齢者の肺気腫に比べ呼吸困難感が強く,予後規定因子の1つ3)とされている.
今回,我々は,23歳で発症した若年性肺気腫症例のリハビリテーション(以下,リハ)を経験したので報告する.
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