症例
診断に苦慮した若年性脊椎関節炎の1例
-―炎症性腰痛の病歴聴取の重要性
井上 なつみ
1
,
清水 正樹
1
,
水田 麻雄
1
,
谷内江 昭宏
1
1金沢大学医薬保健研究域医学系小児科
キーワード:
若年性脊椎関節炎
,
若年性特発性関節炎
,
炎症性腰痛
Keyword:
若年性脊椎関節炎
,
若年性特発性関節炎
,
炎症性腰痛
pp.1933-1937
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000703
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若年性脊椎関節炎(juvenile spondyloarthritis:JSpA)は,16歳未満に発症し,リウマチ因子などの血清因子が陰性で,仙腸関節や腰仙椎に好発する慢性関節炎である1).SpAは軸関節性と末梢関節性に分類されるが2)3),JSpAでは軸関節性に特徴的な腰痛を欠くことが多く,病初期には下肢の末梢関節の腱付着部炎,関節炎,腱滑膜炎などを呈し,後に仙腸関節炎や脊椎関節炎に進展することが多い1).したがって,その初期診断は困難であることも多く,若年性特発性関節炎(juvenile idiopathic arthritis:JIA)の他の病型に分類されていることがある4).
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