Japanese
English
症例報告
若年発症の慢性閉塞性肺疾患患者に対するリハビリテーションの経験―呼吸困難感に着目して
Rehabilitative intervention for a patient with early-onset chronic obstructive pulmonary disease:rehabilitation approach modified by patient's dyspnea.
市川 毅
1
,
霜田 直史
2
,
笹尾 ゆう
2
,
木村 雅彦
3
,
笹沼 和利
1
,
豊倉 穣
2
Tsuyoshi Ichikawa
1
,
Naoshi Shimoda
2
,
Yu Sasao
2
,
Masahiko Kimura
3
,
Kazutoshi Sasanuma
1
,
Minoru Toyokura
2
1東海大学医学部付属大磯病院リハビリテーション室
2東海大学医学部付属大磯病院リハビリテーション科
3北里大学医療衛生学部
1Division of Rehabilitation Medicine, Tokai University Oiso Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Tokai University Oiso Hospital
3School of Allied Health Sciences, Kitasato University
キーワード:
若年発症慢性閉塞性肺疾患
,
呼吸困難感
Keyword:
若年発症慢性閉塞性肺疾患
,
呼吸困難感
pp.685-689
発行日 2010年7月10日
Published Date 2010/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101814
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はじめに
若年発症の慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)は,非喫煙者では60歳以下,喫煙者では50歳以下で発症したCOPDと定義されており1),厚生労働省の難治性疾患克服研究事業対象疾患に指定されている.5年生存率は,Fletcher-Hugh-Jones(F-H-J)分類Ⅱ~Ⅲ度,Ⅳ~Ⅴ度でそれぞれ66.7%,16.9%と,呼吸困難感が強い症例の生命予後は不良となる.また,在宅酸素療法(home oxygen therapy;HOT)開始後3年目以降で死亡率が著増する2).臨床的特徴として,非若年性COPDと比べて生活の活動強度や活動量を高い水準に維持する社会的必要性があるにもかかわらず,呼吸機能障害が重度で呼吸困難感が強いことが報告されている1).このため,リハビリテーションでは呼吸困難感の軽減と日常生活動作(activities of daily living;ADL)の自己管理教育に加えて,手段的ADL(instrumental ADL;IADL)の再獲得を視野に入れる必要がある.しかし,若年発症COPDは稀な疾患であり,リハビリテーションに関する報告はきわめて少ない.
今回,若年発症COPD患者に対して,呼吸困難感に着目して実施したリハビリテーションの経験を報告する.
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