レポート「現場最前線」
知的障害特別支援学校において外部専門家として勤務する言語聴覚士の活動報告
上岡 清乃
1
,
原 由紀
2
,
東川 麻里
2
,
石坂 郁代
2
,
岸田 義文
3
,
東川 修一
4
1北里大学大学院医療系研究科
2北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
3元 東京都立清瀬特別支援学校〔現 東京都立八王子西特別支援学校〕
4元 東京都立清瀬特別支援学校〔現 東京都立多摩桜の丘学園〕
pp.215-219
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001200389
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Ⅰ.はじめに
文部科学省の「PT,OT,ST等の外部専門家を活用した指導方法等の改善に関する実践研究事業」1)や,「特別支援学校機能強化モデル事業」2)の推進に伴い,特別支援学校では,言語聴覚士(以下,ST),作業療法士(以下,OT),理学療法士(以下,PT)および心理学の専門家などの外部人材の配置・活用が進められている.障害の重度・重複化が進んでいる特別支援学校においては,児童生徒の自立と社会参加を促すために外部の専門家や関係機関との密接な連携が必要であり,今後,STの活躍が期待される領域である.
特別支援学校での専門家の実働状況は障害種別や学部,職種によって異なる(倉澤ら3)).2021年度の日本言語聴覚士協会会員動向によると,有職者16,206人中,医療領域に所属するSTの割合は71.4%,老健・特養領域は14.7%,福祉領域は7.3%を占める中,学校教育領域で勤務するSTは1.8%と少ない4).しかしながら,知的障害特別支援学校に関するSTの報告は,STの介入と指導効果(高久ら5)),STへのニーズ(後藤ら6))の報告があり,学校領域でのSTの参入が行われている.子どもたちへの適切な支援・指導のためにも,STの専門家活動の実態をさらに明確化し,STの活動についての広報や普及に関して,広めていく必要がある.そこで本稿では,筆頭著者が勤務した特別支援学校における外部専門家としてのSTの2年間の活動について,一例として報告する.
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