リポート 「現場,最前線」
特別支援教育における言語聴覚士の役割
市之瀬 博子
1
1東京都立川市立第七小学校ことばの教室
pp.149-152
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001100250
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1.はじめに
2003年3月に国の特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議から発表された「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」において,「障害の程度等に応じ特別な場で指導を行う『特殊教育』から,障害のある児童生徒一人一人の教育ニーズに応じて適切な教育的支援を行う『特別支援教育』への転換を図る」として,特別支援教育の基本的な方向が初めて示された.その後,2004年6月に障害者基本法の改正,2005年4月に発達障害者支援法の施行,2006年4月に学校教育法施行規則の改正・施行,6月には学校教育法の改正,翌2007年4月には改正された学校教育法の施行と,国の法的整備が進んだ.それに伴い,小・中学校,それにやや遅れて幼稚園や高等学校でも,特別支援教育の校内体制が整備されつつある(文部科学省 2009a).
こうして「特別支援教育」が急速に浸透する流れの中で,言語聴覚士の役割も徐々に明確に求められるようになってきている.そこで,国の施策や職能部(学校教育)で集めた事例などを基に,特別支援教育の中で言語聴覚士の果たす役割について,考えていきたいと思う.
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