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編集後記
藤田 郁代
pp.134
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001200232
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昨夜,わが国の言語聴覚障害分野の開祖である笹沼澄子先生の論文を久しぶりに読みかえしてみました.それは,1977年に『聴覚言語障害』第5巻4号で特集された“音声言語障害学の現状と展望”の中の論文で,タイトルは「言語障害学の最近の進歩」です.『聴覚言語障害学』という学術誌になじみのない方が多いと思いますが,当時の言語聴覚士の論文は『音声言語医学』や『聴覚言語障害』によく掲載され,いずれも言語聴覚障害学の発展を支えてきた専門誌です.
この論文の中に下記の記述があります.「言語障害の評価,診断,治療技術を,最新の知識やtechnologyに基づいて常に改善し向上させ続けることが,障害者の福祉にとっての基本条件の1つである……(略).しかし基礎領域における知見やtechnologyの加速的な進歩に比べて臨床技術の歩みはややもすると遅れがちである……(略).(これに対処するには:筆者)『臨床の場における研究の重要性』(を深く認識し:筆者),臨床家と研究者を兼ね備えた人材を育成することが根本的な問題解決につながりそうである」
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