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編集後記
藤田 郁代
pp.76
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001200121
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この冬は日本各地が豪雪に見舞われましたが,ようやく陽の光に春の兆しを感じる候となりました.今号には,総説として第17回日本言語聴覚学会における講演が2編,原著論文が5編,現場最前線の報告が1編,掲載されています.原著論文は,ASDの認知機能,乳児の聴覚機能,嚥下機能,発声発語機能に関するものであり,いずれも臨床経験に基づきリサーチ・クエッションを設定されたであろう,興味深い論文です.
言語聴覚士の大多数は,臨床と研究が表裏一体のものであり,臨床の質を高めるには研究活動が必要なことを認識していると思われますが,研究の第一歩を踏み出すのは決して容易なことではありません.特に研究の初心者は学会発表をしても,論文作成にまで至らないことが多いように思います.学会発表はその場にいる者に成果を伝えるにとどまりますので,学術的発展に寄与すると同時に,研究成果を臨床や社会に還元するには論文として発表することが必要です.
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