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編集後記
藤田 郁代
pp.151
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001100421
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今年は春の到来が遅れましたが,その後天候は安定し,碧空に新緑が映える美しい日々が続きました.この時期,巷間ではSTAP細胞に関する論文への疑惑が大きく取り上げられ,科学者に対する人々の眼差しが一段と厳しさを増したように思います.
大学院教育に携わっている筆者は,STAP細胞論文を書いた若手研究者の記者会見をTVで見ながら,学生が研究における倫理性や科学性を確実に身につけ実践できるようになるまでの責任の重さを改めて痛感しました.研究活動における不正行為には,捏造,改ざん,盗用,重複発表などがあり,研究成果がどのようなものであれ,不正行為がなされた場合,その研究の科学性は否定されます.研究が科学的であることは,客観的証拠に依拠している,再現性がある,理論や仮説がある,推論に論理的整合性があるなどを条件とします.本誌では査読を通して,論文にこれらの問題がないことを確認していますが,投稿者におかれましても慎重な自己確認をお願いします.
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