リポート「現場,最前線」
復興特区での訪問リハビリテーションにおける言語聴覚士の活動
熊谷 大
1
1一般財団法人訪問リハビリテーション振興財団浜通り訪問リハビリステーション
pp.98-102
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001200082
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1.はじめに
東日本大震災を受けて,国は震災からの復興の円滑かつ迅速な推進と活力ある日本の再生に資することを目的とし,2012年12月に東日本大震災復興特別区域法を施行した.その中の1つに,訪問リハビリテーション事業所整備推進事業があり,特例措置として事業者に該当する訪問リハビリテーション事業所であって,病院もしくは診療所または介護老人保健施設との密接な連携を確保し,主治医の指示の下,指定訪問リハビリテーションを適切に提供できると知事が認めるものについては,開設主体を病院,診療所および介護老人保健施設に限定しないとされている.
浜通り訪問リハビリステーションは,日本理学療法士協会,日本作業療法士協会,日本言語聴覚士協会の共同出資により設立された一般財団法人訪問リハビリテーション振興財団(以下,財団)の第1号の訪問リハビリステーションである.被災地の復興を第一義として2012年11月に開設された.2013年4月に岩手県で「宮古・山田訪問リハビリステーションゆずる」,2014年10月に宮城県で「気仙沼訪問リハビリステーション」が開設された.2015年11月現在,当事業所は理学療法士5名,作業療法士1名,言語聴覚士1名の計7名体制で運営している.財団の訪問リハビリステーション従事者である言語聴覚士は1名のみである.
本稿では,南相馬市の現状,言語聴覚士としての訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)の活動について紹介するとともに,今後の課題や展望について述べていきたい.
Copyright © 2016, Japanese Association of Speech-Language-Hearing Therapists. All rights reserved.