特別記事
[鼎談]大阪市の「西成特区構想」とわが国の結核対策の課題
古知 新
1
,
下内 昭
2
,
高鳥毛 敏雄
3
1元WHO本部結核・エイズ・マラリア対策部
2公益財団法人結核予防会結核研究所
3関西大学社会安全学部
pp.136-142
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102664
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わが国では結核低まん延時代に入って,低まん延,高まん延の地域に二極分化してきており,近年,一律的な結核対策だけでは解決が難しくなってきています.特に全国一罹患率の高い大阪市西成区あいりん地域の結核問題の解決には,特別な結核対策が求められています.
現在大阪市では新市長の下で,西成区問題の根本的な解決策として「西成特区構想」の検討が進められています.その中に結核問題も入りました.特区構想の有識者座談会を経て,2012年10月,その構想が公表されました.WHOで世界の結核対策を統括されていた古知新氏も,この構想に深い関心を寄せられ,現地に何回か足を運ばれています.現在,そのビジョンを具現化する作業が行われ,極めて重要な時期にあります.
そこで今回,古知新氏と,西成区の結核事情に詳しい下内昭氏をお招きし,特区構想で示された結核対策を成功に導くための課題について,具体的に語り合っていただくことにしました.
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