リポート「現場,最前線」
兵庫県内の言語聴覚士における実態調査と課題
松尾 貴央
1
,
波多野 和夫
2
,
堀 勝彦
1
,
宮地 裕司
1
1関西総合リハビリテーション専門学校言語聴覚学科
2佛教大学社会福祉学部社会福祉学科
pp.143-146
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001100416
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1.はじめに
2007年に全国失語症友の会連合会が行った「失語症者のリハビリテーションと社会参加に関する調査研究事業」の集計結果1)から,言語聴覚士(以下,ST)に望むことは,社会参加を含めた長期的な視点でリハビリテーション(以下,リハ)を十分に受けたいということであった.また,厚生労働省が行った一般社団法人日本言語聴覚士協会への聞き取り調査2)から,標準的算定日数,いわゆる「発症から180日」では訓練が足りないケースもあるが,除外規定が設けられており,制度上は障害者が受ける不利益は少ない.しかし,運用面では標準的算定日数内で訓練終了となるケースが多いと報告されていることから,現実的にはさまざまな制限で利用者が求めるようなサービスを十分利用できない状況にある.このように,限られたサービス提供体制の中で,STに対して持つニーズにできるだけ応える努力をしていかなければならない.そのためには現行制度下で実働されているSTの情報収集と問題点の把握が必要であると考えた.
そこで,成人領域を担当されているSTの現状と課題を明らかにすることを目的として,兵庫県内で成人領域の臨床業務に携わるSTから協力を得て,ST業務におけるSTの意識と実態のアンケート調査を行ったので報告する.
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