調査報告
骨粗鬆症に関する調査研究—茨城県内の中高年期の女性における実態
茂手木 甲壽夫
1
,
羽賀 正之
2
,
照沼 美代子
1
,
鈴木 みずえ
3
,
郡司 法心
2
,
高橋 秀人
4
,
加納 克己
5
1茨城県大宮保健所
2茨城県成人病対策課
3筑波大学医学研究科
4防衛大学校
5筑波大学社会医学系
pp.570-574
発行日 1995年8月15日
Published Date 1995/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901326
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はじめに
わが国では,人口の高齢化に伴い寝たきり老人が増加している.寝たきりの原因のひとつとして骨粗鬆症が挙げられる.骨粗鬆症は腰背痛や脊柱の変形などによる苦痛や,骨折を起こすことによって活動能力を著しく低下させ,地域の高齢者のQOLを阻害する要因にもなっている.その原因や発病のメカニズムについての多くはすでに明らかにされているが,高齢化社会において骨粗鬆症に関連する骨折や寝たきりなどの問題は,今後さらに増加することが予測される.しかし,骨粗鬆症に関する実態調査としては,大腿骨頸部骨折などの発生頻度を扱っているのが主であり,地域における,きめ細かい実態調査報告はまだわずかしかない1,2).
骨粗鬆症は閉経後の女性に著しく多く発生し3),その結果生じる骨折,あるいは骨折の原因となる転倒が女性に多いこと4)からも,特に中高年期の女性を主とした骨粗鬆症の早期発見や骨折防止の対策のための調査は重要である.そこで今回,茨城県では骨粗鬆症予防対策の一助とすべく骨粗鬆症に関する調査を実施したが,50歳以上の中高年期の女性について検討したところ若干の知見を得たので報告する.
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