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編集後記
藤田 郁代
pp.65
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001100196
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米国におけるサブプライム・ローンの破綻に端を発し,世界は百年に一度といわれる経済危機に見舞われています.現代人のほとんどは,前世紀初頭の経済恐慌を実体験として経験していませんので,不安な空気が蔓延していますが,新しい価値観やシステムが【創】り出されるのはこのような混沌の中からであり,今は「時代の変わり目」なのかもしれません.
言語聴覚障害学分野を振り返りますと,IALPやASHAが設立されてからまだ80年余であり,わが国に眼を転じますと言語治療を専門とする職種が見られるようになってから40年余しか経過していません.この間のエポックメーキングな出来事は言語聴覚士の国家資格化に伴い,日本言語聴覚士協会が発足し,学術・職能活動が組織的に行われる場が成立したことと思われます.このように,本分野は今後の成長や拡大が期待される若い分野であり,現在はその礎を築いている段階といえるでしょう.これを臨床面でみると,言語聴覚療法のエビデンスの蓄積を進めている段階といえます.
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