連載 のまりーの「ダンスの時間」・第4回
山岳ダンス
野中 真理子
pp.292-293
発行日 2019年9月15日
Published Date 2019/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003201103
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中学生の頃はバスケット部だったが,夢中になって読んだのは週刊マーガレット連載のテニス漫画『エースをねらえ!』(山本鈴美香作)だ♥ 岡ひろみ,お蝶夫人,宗方コーチ,加賀のお蘭たちのカッコよさで頭がいっぱいになり「私も高校生になったら絶対硬式テニス部に入るぞ!」と決めていた。ところが,入学した高校のテニスコートは3面しかなく,それを男女硬式テニス部と女子軟式テニス部が共有で使用。さらに絶賛連載中『エースをねらえ!』の勢いで空前絶後のテニスブーム! 入部希望の新入生は大勢となり,顧問の先生とコーチによる厳正な抽選で入部者を決定することとなった。
結果,落選。もう学校をやめてしまおうかと思うほど打ちひしがれて部室棟の前を歩いていると,フワ〜ンと美味しそうな匂いが…。「お汁粉どうぞ〜」という優しい声の方を振り向くと,美人の3年生たちが,お椀を手に微笑んでいる。え? 頂いて良いのですか? こんな悲しい時は甘いものが一番◎ありがとうございます♥ 私「で,ここは何部ですか?」先輩たち「山岳部よ」私「え!? 山登りは大の苦手で…」先輩1「大丈夫。練習はテニス部よりずーっと楽よ。試合もないし!」先輩2「山に行ったら豚汁やカレーも作って食べるのよ。とっても美味しいわよ〜」先輩3「夏山の残雪をすくってカルピスかけて食べるかき氷は,サイコーよ!」私「それはずいぶん美味しそうですね〜」先輩たち「じゃあ入部ね!」私「え,は,はい」こうしてテニスコートを走るはずが,山を登ることになった高校生活。美人の先輩たちが言ったことは嘘ではなく,本当に楽しかった。夏合宿では槍ヶ岳,奥穂高,前穂高などにも登った♥
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