連載 神奈川県立特別支援学校での内部専門家としての専門職の活用・第5回
特別支援学校のセンター的機能を活用した高等学校に在籍する教育的ニーズを抱えた生徒への支援
小川 浩平
1
1神奈川県立湘南養護学校
pp.872-875
発行日 2018年11月15日
Published Date 2018/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200999
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高等学校の現状と神奈川県の取り組み
平成21年に文部科学省1)が行った報告によると,通常の学級に在籍する中学校3年生のうち,発達障害等困難のある生徒の割合は約2.9%であり,そのうち約75.7%が高等学校に進学するとしている。併せて,表1のとおり,彼らの進学先の課程・学科には偏りが見られることが指摘されている。
高等学校に対する支援を行う際に小中学校とは異なる課題として挙げられるのが,義務教育ではなく自分で学校を選んで入学試験を経ていること,そして,単位の取得が進級や卒業の必須条件であり,学業成績の評価の基準がより厳正を期されることである。そうした理由もあり,中学校までは合理的配慮として認められていたものが,そのまま高等学校でも同じように認められるとは限らないのである。また,たとえ生徒が自分自身の抱える困難さに支援の必要性を感じていたとしても,他者の目を気にして支援を申し出ること自体がより難しくなっている場合もあることが指摘されている2)。
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