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はじめに
文部科学省の調査によれば,30人クラスに在籍する中には,おおよそ2人の児童生徒に発達障害があるとされている1)。これらの児童生徒への対応は,学校教育上,喫緊で大きな課題であることはいうまでもない。一方,発達障害に関しては,2004年12月10日に発達障害者支援法(法律第167号)が制定され,翌年の2005年4月に施行され,その後2016年5月にその法律の一部が改正された2)3)。
こうした中で,文部科学省は,「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」(2003年)と中央教育審議会報告「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」(2012年)の両報告において,質の高い教育的対応を支える人材として,PTやOTをはじめとするリハセラピスト等の外部専門家を広く活用して障害に応じた適切な教育を行う必要性があることを提言した4)5)。
従来,特別支援教育への外部専門家の活用におけるPT,OTの役割は,肢体不自由を主としていた。しかしながら,特別支援教育における外部専門家のかかわりは,肢体不自由ばかりではなく発達障害を含むすべての子どもたちが,その対象となるだろう6)。
本稿では,これまでの主として肢体不自由特別支援学校などの教育機関へのリハ専門職の支援の在り方を概括する中で,特別支援学校や発達障害のある子どもたちを含め今後のリハ専門職の役割についてPTの立場から述べていきたい。
本稿の構成は,1.はじめに,2.特別支援教育におけるリハ支援の歴史的変遷,3.特別支援教育における教育的理学療法の定義とその位置づけ,4.リハセラピストによる外部・内部専門家としての支援について,5.まとめ,6.おわりに,とした。
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