特別支援教育の役割と機能

The role and function of special support education in Japan.

特殊教育から特別支援教育へ

　改正学校教育法が2007年4月から実施され，特別支援教育制度が本格的に推進されている．障害の種類と程度に応じて特別な場で指導する特殊教育から，一人一人のニーズを把握し適切な教育支援を行う特別支援教育への転換である．

　学校教育法の改正と実施に先立ち，旧特殊教育制度の改革についていくつかの施策が進められてきた．国の施策には，2002年12月の閣議決定による障害者基本計画の策定（2003年4月より実施）がある．文部科学省関係によるものは，調査研究協力者会議の最終報告「今後の特別支援教育の在り方について」（2003年3月）と，これを受けた中央教育審議会の「特別支援教育を推進するための制度の在り方について（答申）」（2005年12月）があげられる．そして2003年度から，「特別支援教育コーディネーター養成研修事業」や「特別支援教育体制推進事業」等，いくつかの事業がすでに展開されてきた．