連載 科学的根拠に基づいた社会参加の意義と実際・第4回
社会参加と精神・心理機能の関係
大門 恭平
1,2
Kyohei OMON
1,2
1京都大学大学院人間・環境学研究科共生人間学専攻認知・行動科学講座
2医療法人えいしん会岸和田リハビリテーション病院リハビリテーションセンター
pp.289-294
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200840
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はじめに
“人は社会的動物である”という言葉が意味するように,人にとって他者との社会関係を築くことは生きていくうえで重要な課題である。人は生涯を他者との関係の中で過ごし,共感や相手のためになるような行動を通して良好な対人関係を構築し,社会や文明をつくり出してきた。一方で,こうした行為が必要と言われた社会は特に進化環境における社会であり,現代のような少子高齢社会やグローバル社会ではない。はたして,現代社会で高齢,障がい者になってまで社会参加する意義はあるのだろうか。本稿ではまず,社会参加という位置づけを整理し,人の社会参加と精神・心理機能の視点から社会参加の意義を考え,次回以降のテーマとして社会参加につなげるための方法へとバトンをつなぎたい。
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