連載 在宅生活を豊かにするシーティング技術・第1回【新連載】
医療機関のシーティングから在宅支援に向けて
木之瀬 隆
1,2
1シーティング研究所
2一般財団法人日本車椅子シーティング財団
pp.296-300
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200842
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はじめに
シーティング技術は,障害のある人や高齢者が椅子・車椅子,または座位保持装置を適切に活用し,活動と参加の支援,二次障害の予防,介護者の負担を軽減することである。
2017年には,厚生労働省保険局医療課から公表された診療報酬の疑義解釈資料より,疾患別リハビリテーション料に「シーティング」が入り算定が可能になった(図1)1)。このことは,本格的に医療機関でもシーティング評価とその対応を行う時代が来たことになる。2018年4月には医療法と,同時に介護保険制度が改正され地域包括ケアシステムに移行することとなった。
本来,介護保険制度はクライエントの自立支援が骨子であるが,現実には難しい状況にあった。しかし,医療機関でシーティングが行われると,例えば,脳卒中片麻痺などのリハでは,ICFの評価に合わせて,実用性歩行の難しいクライエントには,PT・OT・STが座位能力評価や対応を行うことで在宅支援に向けた介護保険関連職種を含む多職種連携のリハ・チームを構成することができる。介護保険においても施設や訪問支援の中にシーティングが入ることで,クライエントの臥床時間がコントロールされ在宅生活が整うことになる。
本連載では,シーティング技術の最先端で活躍される方々から,自身の働く領域と関連職種との多職種連携のシーティングの展開について執筆いただく。
※2011年11月30日に常用漢字に「椅子」が入り,その後,JIS規格の名称は車椅子と記載されており,本稿でも車椅子と表記する。
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