特集 精神疾患への在宅支援
肉(焼肉)と魚(漁業)から精神障害者の就労を考える—ソーシャル焼肉屋を目指すKING KONGの挑戦
仲地 宗幸
1
1株式会社NSPキングコング
pp.122-126
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200541
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はじめに
厚生労働省の資料1)によると,一般の民間企業(50人以上規模の企業)の現在2%の法定雇用率を達成している企業は47.2%であり,12年連続で障害者雇用はその数を増やしている。障害種別にみると身体障害,知的障害はここ5年間の雇用者数118〜160%ほどの伸び率にとどまっているのに対し,精神障害は350%の伸び率である。また2018年からは,精神障害者も雇用義務化されることから,その数はさらに伸びることが予想される。一方で,精神障害者の雇用に慣れていない企業からは気分にムラがあり急に休んだり落ち込んだり,または離職したりということがしばしばあり精神障害者の雇用は難しいと苦手意識を持っている担当者の声も耳に入る。さらに企業だけにとどまらず,就労訓練をしている福祉事業所からも同様の声が聞こえるのは残念でしかたがない。筆者も常に悩みながら支援を行っており,支援方法を確立しているわけではないが,本稿においてはキングコングの実践の中から学んだ精神障害者が働き続けることを支えるにはどのような工夫と配慮があればいいのかについてまとめてみたい。理論的ではなく感覚的で稚拙な文章になると思うが,容赦願いたい。
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