昨日の患者
頻尿・暖房・焼肉
会田 靖夫
pp.58
発行日 1993年3月30日
Published Date 1993/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900841
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前立腺肥大症のI期は刺激症状としての夜間頻尿が代表的症状であるとたいていの教科書に書いてある。しかし触診やUSで肥大を認めず,尿流量曲線も正常で残尿もほとんどない患者がいる。こうした患者は本人が自覚しているかどうかは別としても「冷え症」であることが多い。多くは夏軽快し,冬増悪する。入浴して体が温まった夜は良いようである。
漢方では「腎虚」という概念がある。手足が冷える,足腰が痛む,足腰の脱力感,視力低下,陰萎,夜間頻尿,などを呈する状態である。「腎虚」にたいして昔から八味地黄丸という処方が良く用いられ有名であるが,胃腸の弱い人には使いにくい。
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