巻頭言
「経験」から振り返る…,「暗黙知と形式知」について
井手 伸二
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1一般社団法人是真会長崎リハビリテーション病院臨床部
pp.774-775
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200241
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きわめて高度なテクニック(技術・技)を熟練者から習得するにはしっかり横について,実際の仕事柄を見て・感じて・確認して・実行することを繰り返し,1つずつ丁寧に積み重ねること(ある意味,弟子入りと同じ)が必要とされるであろう。そこには長年にわたって培われた勘やコツの領域があり,熟練者と時間・空間を共有して初めて気づく・習得できることも多々あるようである。残念ながら,そこには数式や図表といった論理的テキストは存在しない。このような経験から学び取る技能を含めた知識について野中郁次郎氏(一橋大学 名誉教授)は「暗黙知」として意味づけ,一方で目に見えて理解しやすい取説やマニュアルなどから得られる知識を「形式知」としている〔『知識創造企業』(東洋経済新報社,2013)〕。この言葉と照らし合わせながら,筆者のこれまでの「経験」を今の回復期のリハにおける立場から振り返ってみたい。
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