連載 実践から読み解く地域リハと地域包括ケア・第5回
私の地域リハと地域包括ケア—STとフリーランスの経験から考える
永耒 努
1
1株式会社コンパス
pp.808-811
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200250
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はじめに
私が病院で働き始めた平成7(1995)年は,言語療法士(当時の日本言語療法士協会の認定資格名称)は現在の国家資格として制度化しておらず,医療機関で勤務していることも非常に珍しい職種でした。勤務し始めて間もなく国家資格として制度化されたことにより,リハ専門職の中で不足していたSTが,増えることになりました。ただ,当時の私と同じく医療機関で勤務する者がほとんどで,地域で活躍することは,想像もつかない状況でした。その反面,今では考えられないほどの長期間に及ぶ入院加療が可能であったため,長期にわたってリハの介入が可能な時代でした。特にSTの対象患者である,失語症をはじめとするコミュニケーション障害,摂食嚥下障害は,回復に非常に時間を要するため,STにとっては時間をかけてリハを提供できる理想的な環境でした。
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