巻頭カラー 潤いのある日常—チェシャーホームでの暮らし・第8回
自由と喜びある暮らしのためのテクノロジー
塚本 正樹
,
社会福祉法人ひょうご障害福祉事業協会
Tsukamoto Masaki
pp.536-537
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200168
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チェシャーホーム「はりま自立の家」「はんしん自立の家」では,多くの電動車いすが行き交っています。
1981年,日本で最初のチェシャーホーム「はりま自立の家」が誕生したとき,兵庫県立リハビリテーション中央病院の澤村誠志先生(現・名誉院長)の助言で50人の入居者のうち35人が電動車いすを使いました。当時,電動車いすは屋外を移動するためのものと考えられていて,施設内で使われることはまれでした。自分では動けない重度の障害のある人たちが,電動車いすに体や腕を固定してコントロールレバーの操作ができるようにさまざまな工夫をしました。広くゆったりとした「はりま自立の家」の中を,自分の意思で行きたい時に行きたい所へ行けることは,たいへん大きな出来事でした。「施設」のイメージを変えた要素の1つになったといっても過言ではありません。電動車いすというテクノロジーは自由と喜びのある暮らしを実現させました。
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