トピックス
ナノテクノロジー
只野 壽太郎
1
1財団法人緒方医学化学研究所
pp.467-468
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101424
- 有料閲覧
- 文献概要
ノーベル物理学賞を受賞したファインマン博士は1959年“将来は原子を1つずつ組み上げて,思いどおりの物質を作れるようになるだろう”と予言した.1980年代になるとマサチューセッツ工科大学のドレクスラー博士が“空気や水や炭素から,飛行機や自動車やパンや肉が,あまりエネルギーを使わずにできる”ナノテクノロジーによる打ち出の小槌論を発表した.1981年IBM社は走査型トンネル顕微鏡を開発し,これを使ってニッケル単結晶の上に,キセノン原子36個でIBMという文字を書いた.この技術は300kmの上空からロボットアームでゴマ粒を並べるのと同じくらい高精度の技術といわれる.
これに対応し,2000年に当時のアメリカ合衆国大統領クリントンはナノテクノロジーの推進を国家戦略の1つに決め国家ナノ技術計画に約600億円を充てると発表し,わが国も2001年ナノ物質研究センターを立ち上げ,33億円の予算をつけた.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.