連載 今,なぜ戦後医療技術史か・2
ハイテクノロジーとローテクノロジーとの共存
上林 茂暢
1
Shigenobu KANBAYASHI
1
1特定医療法人財団健和会みさと健和病院内科
pp.686-690
発行日 1991年8月1日
Published Date 1991/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903683
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華々しい成果とハイテク志向
ハイテク医療に対する医療技術者,国民の期待はきわめて大きい.一般にハイテクノロジー(先端技術)とは,1970年代以降のマイクロエレクトロニクスの発展を基礎に登場してきた新技術の一群を指している.製造部門ではNC工作機械,マシニング・センター,産業ロボットなどで構成されるファクトリー・オートメーション(FA)があげられる.事務部門でのパソコン,ファクシミリ,複写機,ワープロによるオフィス・オートメーション(OA),炭素繊維やガラス繊維などの素材で強化された繊維強化樹脂,機能材料としてのファインセラミクスなどの素材を用いた製品,光通信,INS,キャプテンシステム,CATVといった通信技術の進歩,バイオなども含まれる.
このような他産業での成果を背景に,医療技術の新たな展開を図ったのがハイテク医療にほかならず,診断,治療の分野で飛躍的な成果をもたらした.
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