巻頭カラー 潤いのある日常—チェシャーホームでの暮らし・第7回
自立した暮らしの選択
高梨 麻衣
,
社会福祉法人ひょうご障害福祉事業協会
Takanashi Mai
pp.456-457
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200145
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チェシャーホーム「はんしん自立の家」の入居者,高梨麻衣さんは,重度の脳性小児まひで生まれ,「自立の家」の母体になった公益財団法人ひょうご子どもと家庭福祉財団のプログラムに3歳から参加してこられました。福祉財団は当初ボランティアが集まり,任意団体として肢体不自由児キャンプやレクリエーションを行いました。そして必要性を感じ,ことばの訓練や機能訓練へと広がっていきました。そこに参加する子どもたちは3年,5年と経つうちに学校を卒業し,その後の行き場がなくなりました。学校卒業後の行き場として,現在のような在宅福祉サービスはなく,管理的な「施設」しかありませんでした。「福祉財団」はそのころ英国のチェシャーホームのことを知り,その理念にも共鳴したため日本のチェシャーホームをつくろうと考えました。資金を得るために日本の法律に当てはめ,「施設」の形を整えてスタートしたとき,18歳以上が入居の要件でした。18歳まで待っていたのではチャンスを失うと,高梨さんは特例措置として17歳で「はんしん自立の家」での生活を選ばれました。
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