特集 地域における言語聴覚士の仕事—これからの展望
地域でのコミュニケーション障害者への言語聴覚士のかかわりについて—現状と課題
山口 勝也
1
1東京ふれあい医療生協 梶原診療所
pp.234-239
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200079
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はじめに
失語症,高次脳機能障害や発達障害などから「話し言葉」に制限を生じ,コミュニケーション活動の難しさから,生活に支障をきたし社会参加や人的交流が制限され,新たな地域社会でのサービスの提供者などとも関係がうまくとれない方々をしばしば経験する。生活とは「生命の維持・再生産のための活動にはじまり,自己実現,生きがいといった高次の諸活動までを含む無数でかつ多様な活動のこと」1)としている。その生活を営むうえで必要不可欠なものが「ことば」である。「ことば」は脳内で情報処理された「言語」と表出手段としての「話し言葉」に分けられ,コミュニケーション活動の手段として用いられている。加えて,認知,記憶,思考や,耳で聞いて習得するため「ことば」の理解や獲得などの手段としても用いられており,非常に重要な活動の1つと言える。本稿では,コミュニケーション活動に支障をきたした方々に対し,地域でのSTのかかわりの現状と課題について述べてみたい。
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