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特集 脊椎外科における骨粗鬆症のbest practice
椎体骨折を伴う骨粗鬆症に対する薬物治療
Pharmacotherapy for Osteoporosis with Vertebral Fractures
辻 収彦
1
Osahiko TSUJI
1
1慶應義塾大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Keio University
キーワード:
骨粗鬆症性椎体骨折
,
osteoporotic vertebral fracture
,
anabolic first
,
imminent fracture risk
Keyword:
骨粗鬆症性椎体骨折
,
osteoporotic vertebral fracture
,
anabolic first
,
imminent fracture risk
pp.150-155
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202277
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はじめに
世界でも超高齢化社会を迎えつつあるわが国においては,男女ともに健康寿命と平均寿命との間に約10年間の差があるとされ,いかに健康寿命を延伸するかが喫緊の課題である.この健康寿命を損なう原因として,ロコモティブシンドローム(ロコモ),サルコペニア,身体的フレイルなどの運動器障害を背景とした関節疾患,骨折・転倒が2割強を占めており,これらに対応する整形外科医の役割は大きい.フレイル・ロコモ・サルコペニアはoverlapするとされ20),さらに骨粗鬆症もこれらと併存していることが多く,骨粗鬆症とロコモの合併は87%に,骨粗鬆症とフレイルの合併は64%に認められたと本邦から報告されている13).わが国における骨粗鬆症の有病者数は約1,590万人とされ,そのうち治療を受けているのは30%程度に過ぎないともいわれている.圧倒的に女性に多いが男性骨粗鬆症も増加傾向にあり,加齢とともに有病者数は増え,「80歳代の女性の2人に1人」が骨粗鬆症であるとされる24).本稿においては,椎体骨折に対する骨粗鬆症治療戦略について概説したい.
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