特集 脊椎外科における骨粗鬆症のbest practice
特集にあたって
中村 雅也
1
1慶應義塾大学整形外科
pp.149
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202276
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超高齢社会を迎えた日本において,健康寿命の延伸の観点からも骨粗鬆症は深刻な課題であり,脊椎外科においても椎体骨折をはじめ頻繁に遭遇する重要な疾患の1つです.本特集は,脊椎外科における骨粗鬆症のベストプラクティスに焦点を当て,骨粗鬆症の薬物療法,予後予測,手術療法など多岐にわたる内容を網羅し,今後の脊椎外科における骨粗鬆症に対する治療戦略を議論することを目的として企画しました.
まず保存治療に関して,辻収彦先生に椎体骨折を伴う骨粗鬆症に対する薬物治療,高橋真治先生に椎体骨折の評価と再骨折を含めた予後予測,木下隼人先生には骨粗鬆症性椎体骨折に対する装具療法をご依頼させていただきました.日常診療において遭遇する多くの骨粗鬆症に伴う椎体骨折の患者が高齢者であることを勘案すると,基本的な治療方針は保存療法であり,これらの治療法をしっかり習得し,患者のADL,QOLを向上させることが重要です.しかしながら,これらの保存的治療に抵抗性の患者に対して手術的治療を選択する機会も近年増えてきています.
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