特集 低侵襲脊椎手術の功罪
特集にあたって
中村 雅也
1
1慶應義塾大学整形外科
pp.573
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201904
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低侵襲脊椎手術は,腰部椎間板ヘルニアに対するMEDに始まり,除圧術,固定術,さらには頸椎除圧術に至るまで,数多くの術式が開発され,急速に普及してきました.これらの術式により入院期間の短縮,術後の早期社会復帰が可能となり,患者にとって有益な術式であると言えます.しかしその一方で,これらの多くの手術手技には修練が必要であるために,未熟な手技や無理な適応拡大により合併症を引き起こすことも懸念されます.そこで,本号では低侵襲脊椎手術の功罪に関して議論することを目的として企画致しました.
まず,腰椎椎間板ヘルニアに対するMED,腰部脊柱管狭窄症に対するMEL,腰椎変性疾患に対するFESSの功罪に関して福島成欣先生,岩崎博先生,杉浦宏祐先生にお願いいたしました.次に,固定術へと発展した低侵襲脊椎手術として,腰椎変性疾患に対するLIFを金村徳相先生,MISPLIFを磯貝宜広先生に,成人脊柱変形に対するMISを原田智久先生に,そして転移性脊椎腫瘍,脊椎外傷に対する経皮的椎弓根スクリューに関して,朴正旭先生,安藤圭先生にご依頼させていただきました.また,最近の超高齢社会を反映して頻度が増えている骨粗鬆症性椎体骨折に対する経皮的椎体形成術,骨粗鬆症を有する脊椎外傷に対するMIStに関しては,高橋真治先生,伊藤康夫先生に記載いただきました.頸椎疾患に対する低侵襲手術として,顕微鏡を用いた選択的椎弓切除術,内視鏡下頸椎椎弓切除術を青山龍馬先生,岩井宏樹先生にお願いいたしました.最後に,椎間板ヘルニアに対するコンドリアーゼの功罪に関して坂野友啓先生に記載頂きました.
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