Japanese
English
特集 わかればみえる! 脊椎手術術野へのアプローチ
小児頸椎手術のアプローチ—成人との違いに注目して
Surgical Approach of Pediatric Cervical Spine Surgery
竹下 祐次郎
1
,
齊木 文子
1
,
三好 光太
1
Yujiro TAKESHITA
1
,
Fumiko SAIKI
1
,
Kota MIYOSHI
1
1横浜労災病院整形外科・脊椎脊髄外科
1Department of Orthopaedic and Spine Surgery, Yokohama Rosai Hospital
キーワード:
小児
,
pediatric
,
頸椎
,
cervical spine
,
手術
,
surgery
Keyword:
小児
,
pediatric
,
頸椎
,
cervical spine
,
手術
,
surgery
pp.694-701
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202175
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
脊椎手術の対象の多くは変性疾患を中心とした中高年以降の患者であり,小児の脊椎手術,特に小児頸椎手術は非常にまれである5).そのため,まとまった経験のある施設や術者は少なく,実際に手術を行う際のコツや注意点の記載された文献も少ない.本稿では,小児頸椎手術の中では比較的頻度の高い上位頸椎手術の後方アプローチについて述べるが,特に低年齢児においては,そのサイズの小ささ,骨化未成熟に伴う骨膜の分厚さや軟骨成分の豊富さ,軟部組織の柔軟性などに加えて,そもそも対象となる疾患や病態自体が成人と異なることによる解剖学的特殊性など,成人との違いが多数存在する.逆に小児といっても年齢が上がれば成人との差異は少なくなる.
一方で,当然ながら小児と成人で解剖学的に決定的な違いがあるわけではなく,まずは一般的な上位頸椎手術のアプローチに習熟する必要がある2).そのうえで,本稿では,特に成人との違いが顕著である5歳未満の乳幼児の環軸椎亜脱臼の患者を想定して,外科的アプローチを含む実際の手術の注意点を述べる.
Copyright © 2023, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.