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特集 STOP! 脊椎脊髄外科における放射線被曝
透視下腰椎神経根ブロックにおける散乱線と眼の水晶体の被曝について
Scattered X-ray Exposure to the Eye Lens during Lumbar Nerve Root Block Using X-ray Fluoroscopy
武藤 俊一
1
Shunichi MUTO
1
1千葉労災病院中央放射線部
1Department of Radiological Technology, Chiba Rosai Hospital
キーワード:
腰椎神経根ブロック
,
selective nerve root block
,
散乱線
,
scattered X-ray
,
眼の水晶体
,
lens of the eye
Keyword:
腰椎神経根ブロック
,
selective nerve root block
,
散乱線
,
scattered X-ray
,
眼の水晶体
,
lens of the eye
pp.581-589
発行日 2023年9月22日
Published Date 2023/9/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202145
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はじめに
腰部脊柱管狭窄症に対するブロック療法は広く行われている治療法である.
ブロック介入後1〜2週の時点では疼痛およびQOLの改善に有効であるが,その効果は短期間に留まる可能性が高いと考えられる4).
アプローチには経椎弓間,経椎間孔,経仙骨裂孔があり,X線透視装置を使用するため,術者の手指,眼の水晶体の被曝が懸念される.
一方で,国際放射線防護委員会(International Commission on Radiological Protection:ICRP)はPublication 118において,眼の水晶体の吸収線量のしきい線量を0.5Gyに引き下げた.眼の水晶体等価線量限度については,計画被曝状況での職業被曝において,定められた5年間の平均で20mSv/年,かついずれの1年においても50mSvを超えないことを勧告した.
日本でも原子力規制委員会や厚生労働省で審議が行われ,2021年4月に改正電離放射線障害防止規則が施行された2).
本稿では,当院が2015年から試みている透視下腰椎神経根ブロックの手技の際の被曝低減の工夫を紹介する.そして,脊椎整形外科医師の外部被曝線量算定記録をもとに,被曝低減を行った前後について,レトロスペクティブに検証を行いたい.
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