Japanese
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特集 各神経ブロック,関節ブロックの実際
透視下前外側アプローチによる頸椎神経根ブロック
Cervical Nerve Root Block by Fluoroscopic Anterolateral Approach
伊藤 圭吾
1
Keigo ITO
1
1中部ろうさい病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Chubu Rosai Hospital
キーワード:
頸椎神経根ブロック
,
cervical nerve root block
,
透視
,
fluoroscopy
,
前外側アプローチ
,
anterolateral approach
Keyword:
頸椎神経根ブロック
,
cervical nerve root block
,
透視
,
fluoroscopy
,
前外側アプローチ
,
anterolateral approach
pp.477-482
発行日 2024年8月19日
Published Date 2024/8/19
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202343
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はじめに
神経根の痛みの原因として,神経根の圧迫や変性椎間板から放出されるさまざまなサイトカインによる炎症が関与していることがわかってきている18).頸椎神経根症はself-limitedな疾患であり,保存療法が基本である2).腰椎椎間板ヘルニアや神経根型の腰部脊柱管狭窄症の保存療法として,椎間板内ステロイド注入(intradiscal injections of steroid:IDIS)や選択的神経根ブロック(selective nerve root block:SNRB)の有効性は多数報告されている.頸椎椎間板ヘルニアを含む頸椎症性神経根症(cervical spondylotic radiculopathy:CSR)においても同様に抗炎症を目的に,腰椎と同じくIDISやSNRBも可能であり,その有効性も報告されている4,22).Kumarら13)は,SNRB加療患者では手術は6.7%に要したのみで,6週間での改善が1年後でも維持されていたと報告している.当院ではCSRの入院治療はX線透視下によるIDIS,SNRBを中心に行い,約9割の患者は手術をせずに経過し,ブロック後3週間以上経過すれば手術を要する率が低下していた10).
頸椎IDISについては別紙を参考とされたい11).本稿では,X線透視下前外側斜位アプローチによる頸椎SNRB手技について説明する.
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