Japanese
English
特集 脊椎脊髄疾患と間違えられそうになった症例・疾患
首下がり症候群
Dropped Head Syndrome
逸見 祥司
1
Shoji HEMMI
1
1川崎医科大学神経内科
1Department of Neurology, Kawasaki Medical School
キーワード:
頸椎症
,
cervical spondylosis
,
限局性頸部伸展性ミオパチー
,
isolated neck extensor myopathy
,
頸部ジストニア
,
cervical dystonia
Keyword:
頸椎症
,
cervical spondylosis
,
限局性頸部伸展性ミオパチー
,
isolated neck extensor myopathy
,
頸部ジストニア
,
cervical dystonia
pp.127-133
発行日 2018年2月25日
Published Date 2018/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200799
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はじめに
首下がりとは,頸部が異常に前屈して頭を挙上し続けることが困難な状態である4).その程度はさまざまであるが,座位・立位で前が見づらくなるばかりでなく,高度なものでは呼吸や嚥下がしづらくなり,日常生活に重大な支障をきたす.首下がりはさまざまな機序で生じ,首下がり症候群(dropped head syndrome:DHS)と呼称される(表1).DHSの原因は,①頸部伸展筋群の筋力低下によるものと,②頸部を前屈させる頸部屈筋群の緊張亢進によるものに大別される.筋力低下を伴わず,頸部屈筋群の緊張亢進によるものは,錐体外路疾患が関与しており,特にdisproportionate antecollisと呼称される11,13).
脊椎疾患だけでDHSをきたすことは実際にはまれだが3),頸椎症が主な原因と間違われてフォローされている症例はしばしば経験される.本稿では,頸椎症が一次的な原因と間違われそうになったDHS症例を提示し,その診断のポイントを述べる.
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