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特集 脊髄障害とニューロモデュレーションNOW
脊髄障害性疼痛に対する脊髄刺激療法(SCS)
Spinal Cord Stimulation for Chronic Pain Due to Spinal Cord Lesions
笹森 徹
1
,
矢野 俊介
1
,
飛騨 一利
1
Toru SASAMORI
1
,
Shunsuke YANO
1
,
Kazutoshi HIDA
1
1札幌麻生脳神経外科病院
1Sapporo Azabu Neurosurgical Hospital
キーワード:
脊髄刺激療法
,
spinal cord stimulation
,
慢性疼痛
,
chronic pain
,
脊髄病変
,
spinal cord lesion
Keyword:
脊髄刺激療法
,
spinal cord stimulation
,
慢性疼痛
,
chronic pain
,
脊髄病変
,
spinal cord lesion
pp.171-178
発行日 2023年5月24日
Published Date 2023/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202045
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脊髄障害性疼痛について
[1]定義と病態
脊髄障害性疼痛という用語は,2009年度の厚生労働省難治性疾患克服研究として,「脊髄障害性疼痛症候群の実態の把握と病態の解明に関する研究班」が立ち上げられて以来,脊髄障害に起因すると考えられる多彩な痛みに対して用いられるようになった20).内田ら35)は,脊髄障害性疼痛症候群とは,「後縦靭帯骨化症や脊髄空洞症などの難病・難治性疾患や脊髄損傷後などの脊髄障害に起因して引き起こされる難治性の疼痛症候群」と定義している.
脊髄損傷患者が有する痛みは,侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛の2つに大別することができる2).脊髄障害性疼痛は,後者を意味して使用されることが多く,障害脊髄高位のデルマトームに沿った痛みであるat-level painと障害脊髄高位よりも尾側の痛みであるbelow-level painに分類することができる.一方,広義の脊髄障害性疼痛は,神経障害性疼痛に加え,筋骨格系の痛みや内臓痛などの侵害受容性疼痛も含むと考えられる.
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